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2013年7月25日 (木)

本の旅 メガロマニア(恩田陸)

ままならない天気とびっしりと書き込まれたスケジュール表を傍らに、再び本の旅に出かけることにしました。初っぱなは、まだ行ったことのないマヤ、インカ、アステカなどの中南米を巡る旅です。

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2009年に出版された本の変わったタイトル“メガロマニア”は、大妄想と古代妄想をひっかけた著者の造語です。著者の本は「夜のピクニック」を読んだことがあります。

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2012.11.20ヒマラヤトレッキングの帰途 バンコク~成田間日本上空近く 05:48撮影) 著者が南米に向けて成田を飛び立って、機中で夜から朝を迎えた時のことを次のように表現しています。「窓の外の遠くにある丸い地平線が少しずつ明るくなってきた。眼下には、ごつごつした山々が紫色の光の中に沈んでいる。やがて、白い光の線が見えてきて、視界がどんどん明るくなる。ついに夜を追い越してしまったのだ。毎度のことながら、そのことが不思議でたまらない。周囲の客は皆寝静まっていて、機内は轟音の中の静寂に包まれている。成田を発ってもう10時間くらい経っているだろうか。」

海外に向けて成田を発った時、あるいは海外から日本に向けて飛び発った時、機窓が夜から朝に変わっていたり夜がまた夜になっていたり、いつも不思議に思っていた感覚をさすがに作家は見事に表現してくれます。本の旅の楽しみは、このようにかつての旅の記憶を再び蘇らせてくれるだけではなく、さらにその時の感覚を“そうだよな!”と思わせてくれることです。こうしてワクワクしながら本の旅が始まるのでした。

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「非常に高度な天文学の知識を持ち、いまだかつてない正確な暦と完成された文字体系を駆使し、ゼロの概念まで持っていたマヤ文明、カミソリ一枚通す隙間のない、素晴らしい石組みの技術でさまざまな建造物を築きあげ、黄金に包まれた都に皇帝が君臨したインカ。太陽神を崇拝し、生贄を捧げた、勇敢なアステカ。残虐さと洗練を併せ持っていた謎の民族、謎の文明。突然、歴史舞台から姿を消したミステリアスな人々。」(本文より転載)これがこの本のエキスです。

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(世界遺産ベレンケ 本書より転載) 「鬱蒼とした林を抜けるとぞわぞわと異様な気配が漂ってきた。真っ黒な雲がジャングルの上に垂れこめていて、あまりにも雰囲気漂いすぎの舞台装置である。ぬうっと前方に現れた、黒っぽい石造りの神殿の群れ。これは、ホラー映画のオープニングにピッタリの映像である。」(本文より抜粋) 同じ遺跡をみても自分にはこれほど生き生きとそのイメージを表現することはできません。何回も何回もトランジットして、辿り着いたこの遺跡を見に行こうとは思いませんが、本の旅だからこそ地球の裏側のジャングルの中にも足を踏み入れることができます。

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(メキシコ コフンリッチ遺跡 本書より転載) 「平日の昼近く、遺跡には全く人けがない。古典期の階段状になったピラミッドが薄墨色の空と同じ色で森の中に広がっている。ふと、今世界には自分たちだけしかいないような錯覚を感じた。」(本文より転載) 本を読みながら、写真を見ながら、こんな遺跡の前に立った時のことを想像するのですが、自分には何を感じ取ることができるのでしょうか。

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(カラクルム・ピラミッド遺跡 本書より転載) 「・・・その後あちこちで驚いたことに、こちらの観光客の女子はサンダルだのピンヒールだのでピラミッドをがしがし登るので、みていてひやひやすることこの上ない。欧米人とその末裔というのは危険愛好因子が強いのだと思ったものである。」(本文より転載) 遺跡にがしがしと上ってしまうのは日本では考えられませんが、欧米人とその末裔は夜の富士山でも男女を問わずノースリーブと半ズボンで登ってしまうくらいですから、危険愛好因子だけではなく耐寒因子も備えていて、我々日本人とは精神構造も身体のつくりも異なるようです。それにしてもこの遺跡は、行き(上り)は よいよい 帰り(下り)は怖いですね。

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(ウシュマル・ピラミッド遺跡から 本書より転載) 正直言って、遺跡にはあまり興味が無く、例えばバリ島に行っていくつかの遺跡を見て、何とか様式とか何とか王朝とかの説明を聞いたりしているうちに、何がなんだかわからなくなってどうでもよくなります。遺跡よりも遺跡があるまわりの風景の方がよっぽど楽しいのです。今春パキスタンのガンダーラ遺跡を訪ねた時は、仏像はその表情をみて感ずることがありましたが、遺跡を前にしてただボーッとして、抜けるような青い空とぷかぷかと浮かんでは流れてゆく白い雲を見つめていただけでした。

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(マヤ遺跡 チチェン・イツアー 本書より転載) 「そして、私は今朝この場所で抱いた違和感をずっと反芻し続けていた。何か根本的に違っているのではないか、私たちの持つ言語イメージでは「彼ら」は理解できないのではいか、『文明』という言葉の有りようがそもそも出発点として間違っているのではないか、という疑問が頭の中から消えない。」(本文より転載) まったく同感です。遺跡を見て、その解説などを見たり聞いたりして時々そう感じることがあります。

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(アンデス山中 本書より転載) 「それにしても、なんという雄大な眺めだろう。山の中といっても、ゆったりとした山裾が広がっているので、私の好きな大平原といってもいいほどだ。どれも見事な農地に耕されていて、農民たちの勤勉さが窺える。」(本文より転載) 写真の画質はよくありませんが、雰囲気が感じられ、自分も好きな風景です。

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(マチュピチュ 本書より転載) 「あっけない遭遇であった。写真通り。本で見た通り。そんな感想しか頭に浮かばなかった。実感しなければ。私は内心焦っていた。神秘な場所、深遠な謎に満ちた古代文明を実感しなければ。地霊の声を聞き、何かの着想を得なくては。」(本文より転載) 憧れていた名所旧跡や世界の絶景ポイントを実際に目にした時、何と言っていいかわからず~よく言葉にならないほど素晴らしいというセリフを聞くことはありますが~自分には感動する感性がないのかなとか落ち込むことがあります。そんな実感にとても共鳴しました。

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(クスコ 標高3,400mへ着陸 本書より転載) 「高度はぐんぐん下がり、民家が増えてきた。ちょっと待て、町に突っ込んでないか? 私は慌てた。眼下にクスコの町が茶色の絨毯のように広がっているが、飛行機はためらうことなくその上に突っ込むように高度を下げていくのである。嘘だろ、と内心叫んだ時・・・」(本文より転載) 成田を出発して機窓からヒマラヤ山脈を楽しんだ後、ネパールのカトマンズの街並みが近づいてきた時の浮遊感は、高所恐怖症の著者と異なって自分は最高の気分でした。それは小型機によるヒマラヤ山岳フライトでも、インド洋の宝石といわれるモルディブの小さな島々が大海原の中に点々と姿を現して時でも同じものでした。

何となく図書館で手にした変わったタイトルの280Pの紀行文は、行ったことがなく、行きたいと思っても遠すぎて尻込みしてしまう中南米の雰囲気を伝えてくれるものでした。遺跡を前にしての、あるいは移動の最中の著者の気持ちはとても共感できるもので、モルディブ、ヒマラヤ、アルプスと場所こそ違え、既視感を覚えながら一気に読んでしまいました。

旅の本というか紀行文は、学者でも料理人でも卓越した人が書くものは面白いのですが、さすがに作家の紀行文は傑出しているような気がしました。作家恩田陸さんの本は「夜中のピクニック」しか読んだことはありませんが、この「メガロマニア」の方がはるかに面白いと感じました。

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2013年7月23日 (火)

富士山ビュー 山中湖

7/23(火)、山中湖に用があって出かけました。関東地方は梅雨が明けたにもかかわらず、北から低気圧が下がってきてまるで梅雨の逆戻りのような天気でスッキリしない毎日です。そのかわり夜はクーラーを使わずに寝ることもできているここ数日です。そんな空模様でしたのであまり期待しないで山中湖に出かけました。

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東名高速道路を御殿場I.Cで降りて国道138号線を北上すると山中湖や河口湖に至り、さらには冨士スバルラインに入れば富士山五合目に行くこともできます。東名高速を降りると眼前に青空が広がり、久しぶりの富士山が姿を見せていました。助手席のカミさんに写真を頼んだら性格そのままに傾いていました。

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山中湖に着くと、本当に久しぶりの富士山が湖面のむこうに、八合目辺りに雲がかかっていて、ドスンと坐っていました。

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少しズームして近づいてみました。

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さらにしつっこくズームしました。この時間(8:04)どのくらいの人が富士山に取りついているのでしょうか。多分時間からみて、登っている人より恐怖の下山道を下っている人の方が多いのではないでしょうか。羨ましい~~。やっぱりもう一度登ってみたいです。

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山中湖の周りには遊歩道やサイクリングロードが整備されていて、散歩しながら富士山を眺めることもできます。

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山中湖は一周13.87km、約14kmで、3時間ちょっとで歩くこともできます。対岸に見える小山の上空にはまぎれもない夏の雲、積乱雲が湧いていました。

今年の富士山挑戦は、1回目はカミさんの足の不調のため八合目で下山、2回目は悪天候で冨士スバルライン料金所入口から引き返し、3回目を予定していた昨日(7/21)の夜からの登山は悪い天気予報のため自宅出発時点であきらめました。まったく今年はついていません。久しぶりに気持ちのいい青空を背景にドンと構えた富士山らしい姿を見て、ますます富士登山への思いは募りました。次の挑戦は7/28(日)か29(月)を予定していて、何とか好天気であることを祈っています。

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2013年7月21日 (日)

夏の思い出

先週の7/15(月)は海の日の祭日でした。7/12(金)から4日間続いた冨士スバルラインのマイカー規制は7/15の夕方5時に解除されましたので、富士登山を目指して出かけたのですが22:00頃、スバルライン料金所あたりで小雨がパラついてきましたのでやむなくUターンして自宅に戻りました。そして一週間が経ち、今日(7/21)も夕方5時にはスバルラインのマイカー規制が解除されますので、富士登山に出かけようと思っていたのですが、残念ながら天気予報では夕方から真夜中にかけて雨とのことで、雨の中、暗闇の岩場を登るのは嫌なので、今日もあきらめました。

学校は夏休みに入り、夏モード一色となっているのに富士登山にもどこにも出かけることができず、鬱々とした毎日です。そしてぼんやりとしていると“夏が来れば思い出す 遙かな尾瀬とおい空”という歌が聞こえてくるようで、何年か前の夏の思い出が蘇ってきました。

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2010年の6月にカミさんと尾瀬に出かけた時、尾瀬に入る前に泊まった水上高原のホテルの庭は久しぶりの高原ムードにすっかり気持ちが解き放たれ、いい夏になりそうな予感がしたものでした。

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入口にあった消毒薬で靴底を洗って尾瀬に入れば、そのシンボルの水芭蕉が咲き乱れていました。最近は野生の鹿がこの水芭蕉の新芽を食べてしまうということで、水芭蕉の危機が叫ばれているようです。

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大学の山岳部の学生さんたちのアルバイトによって山小屋で必要な物資が運ばれていました。3年前彼らはここで重荷を背負っていましたが、今は社会に出て、これから人生の重荷を背負っていくことになるのでしょうか。振り返れば厳しいアルバイトもきっといい思い出になるものと思われます。

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イワナシ

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ショウジョウバカマ

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ニリンソウ

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リュウキンカ

たくさんの色とりどりの高山植物が咲いていました。思い返せばとてもいい時期に行っていたものです。

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標高2,356mの燧が岳には一度は登りたいと思っていて、結局縁がなさそうです。

3年前の夏を思いだし、よかったなあと思う一方で、悶々とした気持ちは癒されるどころかますます夏山や自然の懐に入りたいという思いは強まるばかりで、逆効果になってしまいました。

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2013年7月15日 (月)

富士山 八合目登山のすすめ

7/8(月)の深夜から7/9(火)の夜明けにかけて、カミさんにとっては最後となる富士登山に出かけ、結局カミさんの足のつりがひどくなる前に8合目から引き返したことは、前回のブログにアップしました。それから一週間が経ち、カミさんはさばさばとして、何かと話題になる富士登山のTVニュースなどを眺めて“頑張るねえ!”とか“大変だねえ!”とか他人事のように言っています。

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冨士山の山開きから一週間の入山者は15,000人で昨年の1.5倍(日経新聞)とのことです。山開きから二週間たってもこの傾向は変わらない(7/15読売新聞朝刊)ようです。山梨県知事は、来年から予定している入山規制について、もし混雑がひどくなるようなら今夏から実施とも言っています。世界文化遺産に登録されてから入山料の徴収だとか入山規制とかの話が出ていたのですが、いっこうに埒があきません。今季は、ある期間だけ試みに入山料を徴収するようですが、それも任意ということで。

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2011年3月に屋久島(ガイドさん付)に行った時、環境の保護や整備のための“善意の協力金”ということで500円、2人で1,000円払いました。帰ってきてから、協力金は任意なので払っている人は4割ということを知りました。この傾向は現在も変わっていません。何故強制的に徴収しないのか不思議です。強制的に徴収すると観光客が減ることが心配だからとのことですが、その程度のお金が惜しいという人には来てもらわなくてもいいのではないかと思いました。富士山でも1,000円程度強制的に徴収すればいいと思っています。但し、ファミリー割引とか子供は無料にするとかの配慮は必要だと思いますが。いろいろの利害が絡んでのことだと思いますが、行政やリーダーの決断の悪さには呆れてしまっています。

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先週の富士登山では8合目で引き返しましたが、登頂率はどのくらいなのでしょうか。インターネットで調べてみるといろいろな数字が並んでいますが、6570%という数字が最も信頼できそうです。新聞やTVを見ていると誰でも簡単に登れそうな印象を受けますが、意外に大変だということがわかりました。自分のケースでは21回挑戦して2回リタイアしています。1回目は8合目で雷雨のため山小屋に駈け込み朝になっても大雨のためにリタイアし、2回目は先週でした。リタイアは残念ですが、例えば本八合目の「富士山ホテル」まで登れば標高は3,400mで、日本第2位の北岳(3,193m)や3位の奥穂高岳(3,190m)、憧れの槍ヶ岳(第5位3,180m)よりもはるかに高いところからの独立峰ならではの景色も、そこまでの苦しみと歓びも味あうこともできます。8合目であれば下山道と合流していますので、最初から8合目を目指し、体調が良ければ頂上まで登るという楽な気持ちでの富士登山もお勧めです。しかし一度も山頂に登ったことのない人には通用しないお勧めとは思いますが・・・。

8合目登山ですと、9合目から山頂に至る本当の苦しさと醍醐味は味わえませんが、下山がとても楽なのです。頂上までは根性と頑張りで何とか辿り着けたとしても、下山はそれ以上の忍耐力が必要になります。(昨年から、下山にはアイゼンが必須アイテムになってしまいました)

個人登山であれば、登山道を下山することも一つの選択肢です。初めての富士登山は静岡県の富士宮口(登山道と下山道がほぼ同じ)でしたので、次に初めて山梨県側の富士吉田口から登った時は、専用下山道があるとは知らず登山道を下ってしまいました。登ってくる人ばかりで下山する人がいなくて不思議に思っていたのですが、6合目で登山道と下山道が合流して初めて専用下山道があることを知りました。一方須走口からの登山では、下山時の大砂走りの埃っぽさに一度で嫌気がさしたという苦い思い出もあります。

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2013年7月10日 (水)

富士山No.21 カミさんラスト

7/9(火)の夜明け前から富士山に登ろうとカミさんと出かけました。私にとっては21回目、カミさんにとっては11回目の富士登山です。カミさんはこれを最後の富士登山とすると言って出かけました。

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7/8(月)の午後昼寝をし、夕方6時に自宅を出発しました。富士吉田口五合目駐車場が空いているかどうか心配したのですが、夜8時に無事に駐車場の好位置に車を駐めることができました。ここで就職を食べ、車の中で深夜12時まで仮眠しました。私はイビキをかいて熟睡してしまったのですが、カミさんはほとんど眠れなかったようでちょっと心配でした。

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1:44 五合目を12:45に出発してほぼ1時間で六合目の安全指導センターに着きました。真っ暗闇の道を歩いてきて六合目に近づくとこのセンターのスピーカーによる登山中の注意が聞こえてくるとホッとします。ここに着くと中から係員が出てきて登山地図を渡してくれます。“弾丸登山”への警告は特にありませんでした。

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3:33 七合目を過ぎると岩場の連続となりました。暗闇の中をヘッドランプを頼りに岩場を登るのは立ちくらみのような気分になることがありますが、他の登山者が何人かいるとルートも見分けやすくなり、視界が広がるような感じがして登りやすくなります。

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3:59 4時近くになると東の空が赤くなり始め、一気に辺りが明るくなり、ヘッドランプも必要が無くなりました。

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4:35 今までヘッドランプを頼りにおっかなびっくり登っていた岩場も、まわりが明るくなり安心して登れるようになったのですが、カミさんは丹沢以来足がつるのを心配してかなり慎重に登っていました。

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4:41 八合目にさしかかる頃、新しい一日が始まりました。まるで鶏の卵が産み落とされるように一面の雲を突き破るように日輪がせり上がってきました。この日は場所によっては風が強く寒さを覚えましたので防寒・防水具を重ね着したのですが、日の出とともに気温がグングン上昇してきました。

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4:41 陽射しが明るく強くなるにつれて、山脈や雲海がはっきりとしてきました。

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4:52 空は真っ青に晴れわたり、八合目からさらにうえを見上げると岩場が続いていて、登っても登っても八合目は続きました。

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5:21 標高3,000mを越えて、多少息苦しさを体感するようになりました。

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6:17 八合目の岩場を過ぎても、延々と上りは続きました。カミさんは足がつるのを心配して、このまま頂上まで向かうか迷っていましたので随分時間がかかりました。

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6:17本八合目に向かう登山道はジグザグの九十九折りのようになっていて、一つの折り返し地点に行き着くとそこで立ち止まって大きく息を吸ってまた次の坂を目指すという、苦しい上りの連続でした。

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6:48 太子館(3,100m)から標高3,250mの元祖室に着くまで、150m登るのに1時間20分かかりました。カミさんの足に異変が生じているようで、随分スローペースになってしまいました。

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7:47 本八合目の手前でとうとうカミさんの足がつりそうになりましたので、下山することにしました。直射日光が肌を刺すようで、いくら水分を取ってもすぐにノドの渇きを感じましたので、体内の水分が不足したために足がダメージを受けたようです。

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7:54 本八合目あたりは下山道とリンクしていますので、下山道を下りました。この下山道は単独峰ゆえの豪快な眺めですが、一方魔の下山道でもあり、もし足のつりが激しかった場合には足下が滑りやすく、踏ん張りがききませんのでかなりひどいことになりそうでした。

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8:00 下山道の遙か下を眺めると、どこまで続いているのか果てしなくうんざりしました。ここの下山は忍耐力鍛錬の修行に通じます。

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10:11 六合目から五合目までは登山道と下山道が一緒になっていますので、行く人・来る人が出会う道となります。これから登る人は意気軒昂で元気ですし、下山してきた人はかなりヨロヨロになっています。六合目から五合目に戻るこの道は、上り坂になっていて、下山してきて疲れ切った体力と脚力にはかなりこたえるのです。これから登ろうという人は、ヨロヨロしている下山者を見て“帰りにこの上りはきついかもね”とささやきあっている人を時々見かけることがあります。

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10:27 ようやく五合目に着いて最高の楽しみは“コケモモソフトクリーム”です。私はバニラとのミックスを味わってご機嫌でした。しかしここでソフトクリームを食べている間にも登山ツアー客がひっきりなしに現れてきて、これからどうなってしまうのだろうかと不安にもなりました。

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10:39 駐車場は相も変わらず満車でした。スバルラインを下る際も、駐車場待ちのマイカーが長蛇の列をなしていました。これからマイカー規制も強化されそうですし、ますます来にくくなりそうです。

今回は、カミさんの足のトラブルがひどくなる前に本八合目で登頂を断念しましたが、カミさんはそれでも満足だったようです。私は体調も良く、呼吸も楽でしたが、暑さにはかなり参りました。富士山が世界文化遺産になって初めての登山でしたが、やはりいつもより混み合っているという印象でした。これだけ混み合ってくると、富士登山はやめようかなという気分にもなりかかっています。

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2013年7月 4日 (木)

散歩コース 雨に唄えば

7/4(木)の午前中、雨模様の天気でしたが、富士登山はしばらく様子見のうえにはっきりしない天気が続いてなかなか出歩く機会がありませんでしたので、いつもの散歩コースの先の道を歩いてみました。

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いつもの散歩道への道を途中からそれて南下すると、横浜市から大和市に入り、大きな川に突き当たりました。この道を歩くのは久しぶりで多分3年ぶりぐらいです。

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境(さかい)川という名前のこの川は、相模湾の江ノ島辺りに注いでいます。この川沿いにずっと歩けば江ノ島に出ることができます。

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この遊歩道+サイクリングロードは、横浜市の瀬谷から大和市を経由して藤沢市内まで20km続く道です。0.5kmごとに表示がありますので、テクテクと歩くことを始めた頃は、この道を歩いて速度や歩幅などを知る手がかりにしたものですが、ここ数年は歩くペースは大体わかるようになりました。

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大きな街をつなぐこの道は、左手に川を見ながら、右手に田圃や畑を見ながら歩ける贅沢な道です。梅雨入りの頃なかなか雨が降らず、水不足が心配されたのですが、川では水が滔々と流れ、田畑には水が充分蓄えられていました。

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天気がよければ、亀が甲羅干しをしたり、時期が来れば野鯉が産卵のために水しぶきを上げていたり、たくさんの命を育んでいる川でもあります。

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霧雨が驟雨となり傘をさしました。四国遍路や東海道などの街道歩きを除けば傘をさして散歩した記憶はほとんどありません。しかし雨の中を、川の流れる音を聞きながら田畑の緑の道を歩くのは心地いいもので、“雨に唄えば”のメロディーが思い浮かんだりしました。

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コーちゃんの畑とか、梨畑とか、ぶどう園とか、自然の恵みから季節を知ることができ、季節の色どりと移ろいを知ることもできます。

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夏の強い陽射しを受けてこそ映えるひまわりですが、雨空の中ここだけ太陽が顔を出したようでもありました。

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春になると桜の花が降るように咲き乱れる並木道をあと1時間くらい歩くと藤沢市の中心部に至ります。今日は雨も激しくなってきましたので、ここから道を外れました。

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自然に浸っていた気分から急に現実に引き戻されたように、藤沢市の湘南台という住宅地に出て、湘南台駅に向かいました。

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駅近くに異次元空間に出てしまったような建造物がありました。モスクではなく湘南台文化センターという施設です。この辺りにはショッピングセンターやいろいろなお店があり、賑やかな街です。

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ここには、横浜市営地下鉄、相鉄や小田急などの私鉄が乗り入れている交通の要衝です。地下通路には地元の幼稚園児たちの七夕の短冊が飾られていました。すっかり忘れていましたが、七夕祭りももうすぐです。やわらかな雨の中、自然に触れて、行き着いた街は久しぶりで、小さな旅に出たような気分でした。

日本には海に注ぐ川が3万本くらいあるといわれていて、少し歩けばそんな川の一つに突き当たり、川と田畑の間の道を歩けば大きな街に出、川はいくつかの街を通り過ぎて海に注いでいます。身近に豊かな自然がある日本はやはり恵まれた国土です。

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2013年7月 1日 (月)

富士山 狂騒の山開き

7/1(月)、富士山の山開きとなり、予想通りフィーバー状態となっているようです。山開き登山の混雑は想定通りでしたので、一日ずらして7/1の深夜から7/2にかけて登ろうと思っていたのですが、結局しばらく様子をみることにしました。

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7/1になると、TVでは一斉に富士山からの生中継をはじめ、新聞では前日の6/30日から登り始めた人たちの様子を報じていました。マスコミに煽られるように、“世界文化遺産に登録されたのだから、日本人だったら一度は富士山に登りたいから”という人たちも多くいるようです。この混雑というのは、実際のところ現地ではどんなふうになっているのかを過去の画像から推測してみました。

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’12.8/23 正午撮影)個人がマイカーで出かけると先ずぶち当たるのが冨士スバルラインの渋滞です。スバルラインは7月中は週末金・土・/日と8月は2日から25日迄マイカー規制されますので、私にとっての富士山シーズンは非常に短いものです。昨年8/23でさえスバルラインでは大渋滞で、登山者の場合は駐車場が空くのを待つことができませんので、駐車場(=登山口)の手前数kmの地点に駐車してそこからスタートということになります。対策としては夜中に出かけることですが、今年はそれは通用しそうにもありませんので、しばらく様子見としました。

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’12.7.23 23:25撮影)昨年7/23に出かけた時は、ラッキーなことに登山口に近いスペースが空いていて駐車することができました。登る時にはまだ元気で張り切っていますのでいいのですが、下山して来た時には足がフラフラになっていますので、できるだけ登山口に近い場所に駐車できると助かるのです。

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’12.8.24 10:28)下山してきた時の駐車場は、ほぼ満車に近い状態ですが、数台のスペースが空いていて、これからぼちぼち下山してきた人が出ていくと思われ、入れ替わりにこれから登り始めようという人が来るようになると思います。今年はこの5合目ロータリーのライブカメラ(富士登山オフィシャルサイト)で少しは様子がわかりそうです。

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’12.7.24 10:23撮影)

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’12.8.23 12:29撮影)5合目の混雑は、昨年の比較的空いている時期でもご覧の通りですので、今年は多分通勤電車のラッシャアワーのようになるかもしれません。

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’12.7/9 06:00撮影)朝6:00の頂上直下の渋滞です。この時は、下山道の除雪が間に合わず、登る人と下る人が狭い道で行き交い、渋滞が発生していました。今年は下山道も整備されているようですが、TVで見る限り誰もが(特にツアーでは)頂上で御来光を迎えたいと思っているようで、この現象は山開きの日だけではなく慢性的に発生するものと思います。対策としては時差登山が考えられますが、今年はどう工夫しても渋滞は避けられないようです。

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’012.8.29 10:45撮影)下山道は比較的広く、渋滞の心配はあまり起こらないと思いますが、延々と続く下山のために膝を痛める人も多く、今年は初めてそういう経験をする人も多いと思われます。下山が嫌だから富士登山しないという人も結構いますが、独立峰ゆえのこの豪快な景色は爽快であり、捨てがたいものがあります。

昨年の登山風景を振り返ってみると、今年は更にひどい状態になるものと思われ、今日の出発はあきらめました。

予定では、16:00頃に夕食をとり、17:00頃から仮眠をとり、23:00頃に起床して日付が変わる頃出発し、7/2の2~3頃に5合目駐車場(自宅から5合目まで2時間半くらい)に到着し、6合目辺りで御来光を迎えるというものでした。

数えてみれば今まで富士山には20回登っていますので、このままフィーバーが続くようならもういいかなと思う一方で、体力が続く限り登ってみたい、独立峰の豪快な景色を見てみたいという気持ちもあり、複雑な心境です。

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