旅の記憶 パタゴニア物語 ビーグル水道
2016年2/5(金) 私たちはフェゴ島に降り立ち、太平洋と大西洋をつなぐビーグル水道に面したホテルにチェックインしました。
ビーグル水道に面して佇む低層のシンプルなホテルに二連泊して、ここをベースに最南端の町の観光をすることにしました。
木目を生かしたシンプルなホテルは居心地よく感じました。ここで連泊することによって長旅の疲れも癒やされそうでした。
部屋の窓からの眺めも美しく、ゆったりとした気持ちにさせてくれるもので、次から次へと現れては消える雲を眺めているだけでも幸せな気分になりました。
ホテルのレストランで、添乗員のHiromiさんをはじめツアー仲間の何人かは、今日訪れることになっている “世界最果ての郵便局” で出す絵はがきを書いていました。
私もホテルのフロントで絵はがきを買って、宛名とメッセージを書きました。
昼食前の一時、ホテルから表に出ると相変わらず強い風が吹いていて、目の前のビーグル水道は白く波立っていました。このビーグル水道は、太平洋と大西洋を240kmの長さでつなげているもので、進化論のチャールズ・ダーウィンが1831年から1836年にかけて行ったビーグル号による地球一周の航海の際の経路で、この水道の名前は同船の名前に由来しています。
ビーグル水道の右方向に目を転ずると、海の向こう側の山脈はどこまでも広がっていて、その上を白い雲が飛ぶように流れていきました。最果ての地に一人佇んで風の音を聞いていると、とても不思議な感覚に襲われるのでした。
海辺では、強い風をものともせず鞍も付けない野生の馬が調教されていました。この先、アルゼンチンやチリで野生の馬やそれを調教するガウチョを時々見かけました。
昼食の時間となり、とりあえずの乾杯となりました。
前菜の野菜スープはさっぱりしていて胃に優しい感じがしました。
ついに出ましたビーフステーキでした。野性的で歯ごたえがあり、あごが疲れましたがジューシーでもあり、美味しく食べました。
デザートはチーズケーキ風アイスクリームで多少甘かったもののこれも美味しく食べました。ホテルレストランでの初めての食事はまあまあで、これから先期待できそうに感じました。
レストランから外を眺めると、雲がどんどん湧いてきていて、襲いかかってくるようでした。パタゴニア地方は風が強いだけではなく天気も変わりやすく、雨も降りやすいと聞いていましたので、防寒・防水着はしっかりと準備してきました。強く吹き流れる雲を見ていると、この日、よく飛行機が飛んだものだと思いました。
足下の草花も強い風に吹きさらされていましたが、強く根を張ってしなやかに靡いていました。
ホテル前には、これからの観光の足となる専用バスが待機していました。添乗員さんを含めて総勢12人には贅沢に思えるほどでっかいバスでした。
バスの外に広がる景観は、手つかずの自然と絶え間なく流れている白い雲で、見飽きることがありませんでした。
最初の観光は、“SL 世界の最果て号” の乗車でした。その駅舎はおとぎの国のもののように可愛いもので、大自然の中にいきなり現れ、意表を突かれました。
ホームには “ウシュアイア” という駅名が書かれていて、このウシュアイアは、世界産南端の町といわれています。
旅には、特に長い海外旅行には何冊かの本を持っていきますが、そのうちの一冊「風の道 雲の旅」(椎名まこと)に、このウシュアイアのことが書かれていて思わずニヤリとしました。今回、ウシュアイアの街中を散策する時間はなく、椎名誠が書いている状況にはお目にかかれませんでしたが、その先の旅でしばしばお目にかかることができました。椎名誠は、おそらく日本で一番秘境的な所に出かけている人だと思うのですが、彼がどこかの新聞で “世界で一番印象的に好きな場所” としてパタゴニアを挙げていました。
ホームからは、ゴツゴツと聳えている山に向かってレールが延びていました。
最初の観光のベースとなったウシュアイアは、ビーグル水道に面したフェゴ島という島にあり、絶えず強い風が吹いていました。年間を通して風が強く、その風の強さがパタゴニアの代名詞ともいわれています。最大風速が60m/sを越えることも珍しくないそうです、人間は40m/sを越えると飛ばされることもあるそうです。この先、どんな風が出会えるのか楽しみでした。
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