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2026年3月 7日 (土)

旅の記憶 パタゴニア物語 最果ての郵便局

2016年2/5(金) 私たちは、太平洋と大西洋をつなぐビーグル水道に面したホテルから最初の観光に向かいました。専用バスで移動して着いた先は、“SL 世界の最果て号” の始発駅ウシュアイアでした。

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世界各国からの観光客が結構いて、わざわざ最果てに来る物好きがこんなにいるとは思いませんでした。後で知ったことですが、この町には大型クルーズ船が入港していてその観光客の皆さんでした。 

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観光客でごった返す駅構内にオルガンのメロディーが流れていて、私と目が合うと日本の曲(中国の曲が弾かれずによかった)を弾いてくれました。これはきっとチップを渡すんだろうなあと後で気がついてシマッタ!と思いました。 

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私たちが乗ろうとしていたのは「囚人列車」でした。このガイドブックには、「囚人列車だった歴史を蘇らせ、ジグザグのピポ川、マカレナ滝、季節ごとに色が変わる木の葉の森、泥炭地の黄土色から際立つ山々などフェゴ島独特の自然の景色を、その時代の鉄道の蒸気機関車に乗り、過ぎ去った良き時代をお楽しみ下さい。」と書かれていました。 

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かつての囚人列車は、今やすっかり様相が変わり、観光列車になっていました。かつて黒部ダムの建設作業に使われた黒部のトロッコ列車は窓がなく、当時の趣を残すものですが、この囚人列車には当時の面影がまったくないのが残念。 

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囚人列車とは、1900年代初期にかつてこの地域の森林開発と木材を伐り出すために囚人が動員され、囚人の運搬と木材の運搬に使われたためにそう呼ばれています。私たちは当時の囚人とは異なって、温かい客室でぬくぬくとしていました。囚人体験ができたら面白かったかも。 

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おとぎの国のようなミニ機関車などもあったりして、まあ素直に童心に帰って楽しもうと思いました。

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フェゴ島特有のこの景観を、かつての囚人たちはどんな想いで眺めたのでしょうか。心癒やされたのか、かえって望郷の念が募ったのか。

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当時の写真を見るともちろん天井も窓もなく、単なる台車だけの剥き出し状態でした。当時に近い台車だけの剥き出し状態だったらもっと当時の面影と自然を体感できたのではないかとも思いました。あちこちに伐採された後の切り株が白く朽ち果て、まるで太い胴骨のように点在している景観は生々しいものでした。 

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景色を楽しみつつ、当時に思いを馳せているうちに終点に着きました。昨年北欧を旅した際やはり列車に乗った時、有名な滝で列車が止まって写真タイムとなった時、なんと妖精が現れてちょっと鼻白んでしまいましたが、旅は楽しむものでそれほど目くじらを立てるものではないかもしれません。

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囚人列車から、先に待っていた専用バスに乗り換え、自然の景観を楽しみつつ “最果ての郵便局” へと移動しました。 

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その郵便局は、南の果てに一歩でも延びようとするかのように、冷たい波が押し寄せる海辺にはり出ていました。最初想像したのは町の片隅にであるかと思っていたのですが、町とは離れて孤立的にありました。 

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海辺にはり出た桟橋の先には小さな小屋があり、これが局舎でした。救命用の浮き輪があるのがご愛敬でした。

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最も興味があったのがどんな人が働いているのだろうかということでした。白い顎髭を生やしたいかにもという感じのおじさんというかおじいさんというか。日本へ出したいというと、電卓で$払いの金額を素早く計算してくれ、実に手慣れたものでした。奥にもう一人若い局員がいました。 

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前もって書いたおいた絵はがきには、切手を貼る充分なスペースを空けておいたのですが、それでも足りないくらい大きな切手が4枚でした。 

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切手を貼り終えた絵はがきは、私には懐かしい郵便ポストに投函したのですが、よく見ると局舎の救命用の浮き輪の下にも小さな郵便ポストがありました。ツアー仲間で冗談を言い合う仲のいい奴がいたのですが、私が投函した郵便ポストは1ヶ月に1回か1年に1回しか集配しないとインターネットに書かれていたといい出しました。後で真っ赤な嘘だということがわかってホッとしたのですが、それでも絵はがきが南の果てから地球を半周していつ着くのか、そもそも着くのかも興味がありました。 

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そしてそして、何人かの方から絵はがきが届いたという連絡をいただきました。20139月に同じ西遊旅行社のチベットツアーでご一緒した姉御さんから “絵葉書が届きました。アルゼンチンからの絵葉書は初めてです。自慢できそうです。” というメールをいただきました。投函したのが2/6でしたからほぼ2週間で着いたことになり、地球の裏側からにしては早い到着にビックリすると共に、安心しました。最近の姐御さんといえば、イランやパキスタンのビザを取得して何回も出かけているとか。不思議なことをしています。

SL 世界の最果て号” に乗って “最果ての郵便局” にと、あまりにもできすぎた話ですが、これも旅の楽しみというものです。地球の裏側からの便りが2週間で届くとは、地球も狭くなったのでしょうか。それにしてもブログ掲載の前に届くとは思いもよりませんでした。

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